メロン、チョコレートクッキー、ローストビーフ、これらは私の祖母の家の犬が好きな食べ物である。祖母は犬にも自分の食べ物を分け与えている。私は小学生の頃に祖母の家で犬がメロンを食べているのを見て驚いた。私だってマスクメロンなど滅多に食べられないのに祖母が犬にあげていたからだ。犬にも味は分かるのだろうから美味しいに決まっている。でも、私は犬と一緒に並んでメロンを食べることに違和感を持った。やはり犬はどこか違う場所で食べ物をもらうようにした方がいいと思う。犬と同席して食べるのは不潔な感じで嫌だった。このように犬のしつけがいい加減だった祖母も当時の犬も今はもういない。
最近、犬の散歩道を変えた。特別な理由はなく、ただ単に私がいつものコースに飽きたから他の道を行ってみることにしたのである。サブ(ウチの犬の名前)の反応は面白かった。我が家の犬サブは秋田犬で体が大きいのだがいつもリードを張り気味にして歩いている。しかし、道を変えることにした日は明らかにサブが戸惑っていた。どっちに行けばいいのか分からないということであろう。サブは自分勝手に好きな方向へ行くわけでもなく何度も私の顔を見上げていた。でもたまにはこうしたことも犬にとっても気晴らしになるのではなかろうか。途中しつけのなっていない他所の犬に吠えられた時はサブもちょっと驚いていた。
我が家のヨークシャーテリアのココはとても賢い。家族の中でも特に母が大好きでいつも母の側にいる。父は「ココは、お母さんが餌をくれる人だから大好きなのさ」と負け惜しみのようによく言っている。確かにココに餌をあげる事や、排泄の始末、ココのお世話全般、しつけまでを母がやっているので、父の意見も間違ってはいない。でも、犬は家族に順位をつけると言われるので、我が家の実権を握っているのが母だから、ココも母に従っているのかもしれない。こっちの方が強い理由のように思う。では父と私ではココはどちらを上に思っているのだろうか。ココに訊いてみたい。
犬に命令をして実行させる訓練は犬と人間の上下関係を犬に分からせてから行うのが望ましい。飼い犬が人間との上下関係を理解していれば、服従訓練も容易である。単に言葉の意味を理解させ、動作を教えるだけで良いのだ。「お座り」「お手」「待て」など色々な命令があるが、どれも犬が練習を繰り返し行うことで身に付けていく。つまり教える人間もある程度の時間を犬にかけなければ、犬にそうした服従や芸を教える事は出来ないのである。逆に言えば、熱心に何度も練習すれば出来るようになるのである。それならば犬とコミュニケーションをとりながら楽しんで訓練するのが良いだろう。
先日、友人の家に遊びに行った。友人は一人暮らしでチワワを飼っている。名前はハル。玄関のチャイムを鳴らすと家の中で犬の鳴声が聞こえた。私が玄関に入るとハルがしっぽを激しく振って立っていた。今までにも何度か来ているのでハルは私の事を覚えているようで、興奮気味に私を出迎えてくれたのだ。友人と私がお菓子を食べながらおしゃべりをしていると、ハルも側まで来て話に加わりたそうにしている。正確にはお菓子を分けてもらいたそうにしていた。でも人間の食べ物なので美味しい味付けの食べ物は犬の体に良くないと思う。でも友人はハルにお菓子をあげていた。それは犬のしつけの上で、良くない事だと私は思った。
